こんにちは、ハクトです。
組み込み系エンジニアは、将来性抜群で近年需要が高まっている職業の1つです。
でも、納入前やトラブル対応などで激務と言われるのを耳にします。
残業100時間越えるとか、帰りは毎日終電とか、、、
そこでこの記事では、厚生労働省のデータや、Twitterの声、そして10年間組み込み系エンジニアをやってきた私が実態を交えて紹介していきます。
この記事で分かることは以下です。
- 組み込み系エンジニアのお仕事は本当に激務なの?
- なぜ激務になっちゃうの?
- 組み込み系エンジニアを目指すべきか?
本当に激務か?
さて、まずは厚生労働省が発表しているデータを参考に、どのぐらい激務なのかを一般化していきます。
組み込み系エンジニアのお仕事は激務の場合もある
厚生労働省が2018年にIT系企業を対象に行なった調査によると、
直近1年間月平均残業時間は「20時間未満」が49%という結果でした。

30時間未満の人も加えると、全体の約8割の人が毎日1〜1.5時間程度の残業であるといえます。
こうしてみると、残業はそこまで多くない印象を受けます。
一方、同じ調査において直近1ヶ月で80時間を超える残業をした人の比率は以下です。

「80時間を超えて働いた従業員はいない」と回答した企業は60%であり、残りの約40%の企業は「80時間を超えて働いた従業員が何割かいる」と回答しています。
つまり平均では残業時間はそこまで多くはないけど、中には月に80時間を超えて残業する人もいるということです。
この調査は、組み込み系以外のITエンジニアも8割以上含んでいるため、調査結果がそのまま組み込み系エンジニアに当てはまるわけではありませんが、実体験から言うと当たっているデータと思います。
当然毎日が激務というわけではなく、納期が近かったり、問題があると残業しますが、
そうでない場合は定時帰り出来ます。メリハリがある感じです。
最近は働き方改革が叫ばれており、ソフトウェア業界も残業減らそうという流れにありますが、
やはり時期によっては残業が増えるのが実態としてあると思って頂ければと思います。
激務になってしまう理由は?
では、どうして激務になってしまうのか?
について理由を挙げていきます。
理由
- 慢性的な人手不足
- クライアント企業に振り回されてしまう
- 厳しい納期
- 見積もりが甘い
1つずつ順に解説していきますね。
①慢性的な人手不足
組み込み系エンジニアが激務になってしまう1つ目の理由は、慢性的な人手不足です。
組み込み系エンジニアには高い専門知識と経験が求められます。
そのため、人材育成に時間がかかり人材不足に悩まされているのが現状です。
人材が不足している分、市場には需要があるためキャリアアップを図る転職などでは有利と言えます。
②クライアント企業に振り回されてしまう
実際のソフトウェア開発現場では、開発途中で頻繁に仕様変更が入ったり、クライアントから急に要求が入ってきたりと、予測できない事態が発生します。
その度に追加の仕事が増えたり、せっかく進めていた開発がやり直しになったりと、お仕事が増えてしまいます。
クライアントからの要求となると、「出来ません」と強く言うことも難しいのが現実で、
結局全て背負い込むことになります。
やはりクライアントあってこその仕事のため、突然の変更でも断れないのです。
これはどの職種でも同じかもしれませんね。
③厳しい納期
厳しい納期が設定されることも、組み込み系エンジニアが激務になる理由の1つです。
クライアントから無理なスケジュールで依頼を受けることもあります。
そういった場合でもとにかく納期厳守の世界です。
特に組み込みは顕著ですが、そもそもソフトウェアが無いとモノが動かないので、クライアントは何もできない状態で止まってしまいます。そのため納期を守ることは徹底されます。
また、組み込み系以外のシステムでも同様ですが、作業中にバグが発生することもあります。
その場合は改修作業に追われ、納期がさらに厳しくなってしまうこともあります。
④見積もりが甘い
③で説明したように納期が厳しいのに、見積もりを甘くしていまいがちです。
「この作業なら1週間あれば終わる」「この工数で問題ないだろう」と予定していても、しっかり見積もりできていないと納期に間に合わせるために残業することに…
実際の声
ここからはTwitter上の実際の声をご紹介しながら、組み込み系エンジニアのつらい点をお話ししていきます。
リモートワークがしづらい
これは確かにあります。今の時代リモートワークが当たり前になっていますが、組み込みエンジニアがリモートワークを行うことは困難です。なぜならば、自分でシステムを組み込んだ以上、実機を使って稼働確認をする必要があるためです。
そのため、組み込みエンジニアは仕事を行うために会社に拘束されることを余儀なくされます。
品質への追求がすごい。急な呼び出しも
一度機械にプログラムを組み込んで、世の中へリリースしてしまうと、後からプログラムの変更をすることは容易ではありません。そのため非常に高い精度のプログラムが要求されます。
それでも不具合は起きてしまうことがあります。そのように何かトラブルなどが起きれば不具合を確認するために出動しなくてはなりません。
GWや夏季連休中に呼び出され、せっかくの長期連休が潰れてしまうこともあります。
(経験上、なぜか長期連休の時って大きなトラブルが起きるんですよね・・・)
さらに、このツイートにあるように旅行中の上司は出社せず、
なんで自分だけ出社してるんだ!? くそーーって
思ったこと私もありますww
ハードウェアの理解も求められる
組み込み系エンジニアは、ソフトウェアだけでなく、ハードウェアの知識も必要になります。
このツイートのようにハードウェアを理解していないと思わぬ不具合にハマることも・・・
ただやっているうちに慣れてきますので、そこまで本腰入れて勉強するというよりは、実践を通じて学び身につけていく感じです。
つらいことばかりではない
ここまで組み込みエンジニアの過酷さをご紹介しました。見たところ激務な点ばかりが目立ってしまいますが、激務な反面、良いところもあります。
以下では組み込みエンジニアの良い面をご紹介します。
いいところ
社会に貢献
自分が作ったプログラムが身近なところで機能している点です。家電や自動車といった生活に必要なもののプログラムを作るので、日々の生活の中で自分の仕事が役に立っていることを実感することが出来ます。
年収
モノをインターネットに繋ぐIoTの影響により組み込み系エンジニアの需要が高まっています。そのため高い報酬を期待することが出来ます。求人の数自体も多いです。
将来性
AIやIoT、ビッグデータのために、さまざまな機器にセンサーなどを取り付けて、情報を収集する機会が今後はさらに増えていきます。こういったセンサーなどを機能させるためには、組み込みエンジニアの力が必要です。
特にAIは様々な製品に埋め込まれていくことが予想されています。
自動車なら自動運転とかが挙げられますね。
このように組み込み製品にAIを搭載するためにも、組み込みエンジニアの力が求められるため、将来性が高いと言えます。
まとめ
組み込みエンジニアについて以下のような激務さがありました。
- 激務で過酷
- 職業人口が少ない
- 深い知識と製品の理解が必要
- 職場に拘束されがち
しかし一方で社会に貢献しやりがいを感じられたり、高い報酬を得られると言った点では悪い面ばかりではないと言えるでしょう。実際、職業人口が少ない以上、仕事量は増える可能性はありますが、それだけ世の中に必要とされているということで、将来的にも安泰と考えることができます。
現代社会において組み込みエンジニアは欠かせない職業です。エンジニアとして稼ぎたい、キャリアアップしたいという人に対しては、人材不足のこの状況はチャンスと言えるでしょう。
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